「よお!浩隆!久しぶりだな!」
「浩隆来たよ~!」
「久しぶり~!!!」
「お前あの○×商事に入社したんだって?」
「え!あの浩隆が!?あんた馬鹿じゃなかったの!?」
元同じクラスの奴等は
遠慮という言葉を知らない。
俺がどれだけ勉強したと思っているんだ。
「俺だって勉強頑張ったんだよ!」
そう言い返して、あいている席に座る。
彼女の姿は見えなかった。
「なあ、マサ。今日来てないのって誰?」
「あ?デブとーみっちゃん」
「2人だけ?」
「あー、あと成瀬さん!」
成瀬…
成瀬舞衣
それが俺が恋した彼女の名前だった。
「欠席?」
「いや、来てないだけ。
つーかこの3人は連絡ない」
やっぱり。
カナダにいれば連絡もできないだろう。
成瀬は来ない。
きっともう会う事もない。
その時、遠くで懐かしい声がした気がした。