「ねぇ、あやちゃんってば。」


僕は帰り道を急いでいた。6年生のミサちゃんが話しかけてきたが、どうせいつもみたいに馬鹿にされるだけだと思って無視した。




「…う…あやぢゃん。」





5分くらい歩いた頃だろうか。後ろを振り返るとミサちゃんが泣きながら僕の後ろを歩いていた。



泣かせてしまった。
いくらいつも女の子扱いして馬鹿にしてくる相手でも、本当の女の子には敵わない。





「ご、ごめん…ね?」





僕は思わず立ち止まりミサちゃんに近付いた。