小学5年生の2月1日。


「あやちゃん。」

「…なに?」


バレンタインデー前にも関わらず、名前を呼ばれてそっけなく返事をした。





あやちゃん。
原因はコレ。

僕の名前は綾織 遥斗。

母親譲りの華奢な体に他の男の子よりも少し色白の肌。

成長期はまだなのか男の子の中では1番背が低い。




それに加えて、保育園時代はお姉ちゃんのお下がりの鞄や服。

友達から女の子扱いされていた。


あだ名も名前は「はると」なのに名字をとって「あやちゃん」って女の子みたいに呼ぶ。



僕はコレが気にくわなかった。