まったく初めて会うのに

まったく初めて見るのに


なんで君に魅かれたのか

理屈ではないような気がした


一瞬のひらめき


それがあっただけ



君にもあったのだろうか



『それは聞くことができない

  聞きたくてたまらない』


君があの喧噪の街で

倒れたとき


駆け寄ったのは僕だけだった


誰もが何もなかったかのような

顔で通り過ぎていた



君を抱き起したとき

冷たかったのを覚えている


けれど、額にはうっすらと

汗が流れていた


その汗は

陽の光に輝いていたけ


とても尊い物のように

それでいて

はかなく壊れてしまいそうな

クリスタルのようだった