「うらやましい!!!」



朝のことを話すと友達の乃莉はきゃっきゃと騒いだ。


「何がうらやましいのよ!?私のファーストキス奪ったのよ!?」
本当に最低!というとバコッと頭をノートで叩かれた。

「凛!翔君っていったらこの学校全生徒の憧れよ!?それをあんたって人は……」




 知らないよそんなこと。
 
てかアイツはもともと私をよくからかってたし、きっと今回だってわたしのことからかって楽しんでるんだ!

絶対そうだよ!

チャイムが鳴って授業が始まってもそのことで私の頭の中はいっぱいだった。












「じゃあ、がんばってね!ぶ・か・つ♪」
ニヤニヤした顔で乃莉が言う。
「うぅ~…何を頑張るのよ!!」

部活、行きたくないな~。
憂鬱な気分はなかなか晴れない。集中が途切れるたびあのことを思い出してしょうがない。




「先輩、今日なんかあったんですか?」と後輩に声をかけられた。
「あ…あ!ごめんね?ちょっと疲れちゃって。」
「そうなんですか。明日は休みなんですからゆっくり寝たほうがいいですよ?」

本当によく出来た後輩だ。何で翔もこんな可愛い子にしなかったのだろうか。