「おはよう」


アルの腕の中で目を覚ます。


「ぉはよう アル」


爽やかな笑みを浮かべたアルを見ると、頬に熱がおびる。



「頬が赤いね 疲れて熱でも出たのかな?」



額に手を置かれて熱を確かめられる。



「そんなことないよ 元気だもん」



起き上がろうとしたところへ、肩をトンと軽く押されて、もう一度シーツの上へ倒されてしまう。



「ァ、アルっ?」


「本当に熱がある アールツト(医師)を呼ばなければ」



アルの心配そうな顔で言うと、わたしをベッドに残したまま立ち上がる。



「アル、本当に大丈夫だよ」



「リン?君はコウのママであり、私の妻なんだよ?君が元気で幸せでいてくれるのが一番の願いなんだ だから少しの異変も逃さずにいなくてはならないんだよ」



そう言ってわたしの鼻にちょこんとキスをして部屋を出て行った。



枕に頭を付けて目を閉じると、くらくらしている気がしてきた。



アルの言うとおり、熱があるのかな……。