「ねぇ有里。」 「何。」 「有里ってなんで有里?」 「知るか。」 有里の返答はいつも早い。 だからいつも、話してるのは私。 「あはは。」 「あはは、じゃないから。」 「ははっ…有里、今日ひま?」 有里の肩が少し反応した。 私も有里も、もう震えたりはしない。 それでもビクッてなる。のは、色んな事を考えてしまって、全部壊れちゃいそうで、怖いから。 「…ヒマ。」