それからは、まさに操り人形のように踊らされたようだった。

僕たちの中で一番業があるひろみは、スピンサーブやドロップ、スライスショットを使って僕たちの陣形を乱しに乱して、最後には慎也のパワーショットで決められる必勝パターンを破ることができずに見事逆転負けを喫した。

「あーあ、負けちゃった。」

愛花が悔しがった声を出す。

「ひろみにしてやられた。」

僕が試合を評価する。

「完全勝利。」

一番いつもより高い声で一言喜びを表す。

「ふー、危なかった。」

慎也は僕たち本音をもらした。

[これによりましてテニス部エキシビジョンマッチを終了します。みなさんは所定の位置に戻って下さい。]

アナウンスが鳴り響き、運動会は後半戦に向かう。