う〜ん

ガバッと起き上がる。

「イッツー。」

体を起こすと全身に痛みが走る。

そして目を覆っていたハンカチが太ももの部分に落ちる。

「これ、誰のだ。」

ハンカチを手でつかみあたりを見渡すが人影の姿がない。

その代わりにあたりは闇で膨れ上がっていた。

「なんか気味悪い。」

肩がブルッと震える。

タッタッタッ

見えはしないが暗闇の方から足音が聞こえてくる。

身構えながら、ジーッと目を凝らす。

「あっ、起きたんだ。」

暗闇から顔を出したのは、愛花だった。

「身体、大丈夫。」

心配そうに僕を見て、手に持っていた缶ジュースを僕に渡す。

「何でここに。」

僕の質問に

「一度帰ってから戻って・・・」

「嘘つくなよ。そんな嘘、ここ見りゃ一発だ。」

少し照れながらも、愛花の胸の方を指差す。

「あっ。」

すぐさま胸を手で隠して、後ろを向く。

ブラウスのボタンは取れているから、セーラー服のボタンをきっちり止めてこちらに向き直る。

「見たでしょ。」

顔を赤くして、涙目でキリッと睨みながら訊いてくる。

その態度は怒っていると言うにも関わらず、しおらしく思える。

「チョットだけだから。その、ゴメン。」

照れまくってる僕を見て少し笑い、背中合わせになるように体を引っ付けて座る。

「どうだった、私の身体。」

「どうって・・・」

(いきなり何を言い出すんだ。)

質問の意味を考えると、かぁーっと顔が赤くなる。