「待てやこら。」

坊主が追いかけようとするのを茶髪が制止する。

「今日は逃がしてやれ。女は今度でもいい。だが、このなめたガキは今から体に教えてやらないとな〜、逆らっちゃいけない奴がいることをよ。」

ジリジリと近づいてくる。

そんな事お構いなしに、僕は訊く

「お前たち何歳だ。」

「はぁ。」

不良達はいきなりの事にきょとんとする。

「何歳だって訊いてんだよ。」

大きな声で睨みを効かせてもう一度訊く。

不良達は、いきなり態度が豹変した僕に一瞬ビビる。

普段怒らない人が怒るととんでもなく怖いように。


「高校二年だけど。」

ひるみながら不良たちは答える。

(二年か、とゆうことは犯人は・・・)

一人で考え込んでいる僕に

「それがどうしたんだよ。」

茶髪が襲いかかって来る。

さっとよけるものの、相手がもう一人いるのでそちらは避けようがない。

坊主のパンチが僕の顔をとらえる。

「がはっ。」

一発の重みが全然違う。

「おらっ。」

茶髪の蹴りが、僕のわき腹に命中する。

「げふっ。」

僕はだった二発で倒れ込んだ。

「ハァハァ、ぐっ。」

茶髪が僕の顔を踏みつけ、

「威勢だけは良かったな僕ちゃん。」

明らかにバカにした物言いに腹が立ち、どうにかして足をどかそうとする。

「ウニウニ動いてんじゃねーよ。」

踏みつけていた足で、そのまま腹を蹴る。

身体がくの字に曲がり意識が遠のく。

「まだ寝るには早いぜ。」

僕の襟首を掴み強引に立たせようとする。

坊主の方は、胴を抱え込む。