午前の部が終了した。

俺たちは急いで弁当を食べて部室に向かった。

毎年午後の1発目はどこかの部による見せ物をやることになっているのだが、なんと今年は我らがテニス部に当たってしまったので、僕達は準備のために部室に向かっているのだった。

「おい、エキシビジョンって言っても試合だから本気でやれよ。」

慎也の言葉に僕始め3人が答える。

「キャプテンが手抜きする訳ないだろ。僕たちキャプテンダブルスが勝ってやるよ。なぁ愛花。」

「うん。キャプテンが負けるわけにはいかないからね。」

「実力は俺たちが上だよ。な、ひろみ。」

「絶対負けない。」

僕の張りのある声。

愛花の高くきれいな声。

慎也の熱く大きい声。

ひろみの静かに燃える声。

4つの声が響く中、僕たち4人はグラウンドの特別コートへ向かう。

そして僕たちは向かい合う。

勝負が始まる。