バンバンバン運動会の始まりを告げるピストルが鳴り響いた。

生徒が行進を始め、グラウンドを1周する。

「あーつーいー。何でこんなに晴れるんだよ。俺たちを殺す気かよ。」

慎也が天気に対して文句を言い続けて行われるいる。

しかし、慎也がぶつぶつ言うのも解る。

確かに暑い。

ここ最近では、一番暑い。

みんなの額にも汗がポツポツと吹き出している。

軽い競技がどんどんすんでいく中、女子のダンスが始まった。

これはこの学校の伝統?の種目で、選んだ曲の振り付けを考えて踊る。

毎年男子はこれを楽しみにしている。

「うーんやっぱいいね。こう、自分の為に踊ってくれているみたいで。ムフフ。」

慎也は笑みを浮かべてひろみを見つめている。

慎也がひろみを好きになったわけは、昔慎也が怪我で部活を見学していたとき、他の部員に話しかけまくって練習をじゃましていた。

部員達も[注意は無駄だ]と、半ばあきらめていたそのとき、ひろみが近ずいていき、一言、言い放った。

[あなたうるさい。邪魔するなら帰って下さい。]

声を荒げる訳ではなく静かに淡々と言い放った少女の姿に慎也は驚きの顔のまま押し黙ってしまった。

慎也はその堂々とした出で立ちに心を打たれて好きになった。と、語っていた。

(よくわからんけど。)