さらに、しばらくかたって、意識がはっきりしてきた。

そのせいか、手に温かく柔らかい感触がある。

そーっと見てみると、俺の手には、ひろみの手が堅く握られていた。

「うわっ。」

俺は思わずふりほどいてしまう。

隣からいたずらっぽいしゃべりで

「やっと気づいたんだ。」

の一言が俺に浴びせらる。

なぜ、てをつないでいたのかの状況が把握できない。

すると続けてひろみが口を開ける。

「本当にビックリしました。転がり落ちてから、ずっと離さなかったんだから。意識ないはずなのにね。」

俺は少し恥ずかしくなった。

ひろみの頬がほんのりピンク色に染まる。

「じゃあ、そろそろ行きましょうか。」

ひろみが立ち上がり、俺を促した。

珍しいひろみの先導に従って立ち上がろうとして、俺の動きが止まる。

不思議に思ったであろうひろみが

「どうしたの。」

と、訊いてくる。

「いや〜、こっからだと、スコートの中が丸見えで。」

にやにやしながら口にすると、ひろみの顔がみるみる真っ赤に染まっていく。

「バカ、もう知りません。」

わき腹に一蹴りをお土産にひろみは走り去っていっ