放課後からリレーの練習は始まった。

まだまだ残暑が残っている9月半ば、運動会まであと4日。

ひたすらバトンワークの練習をする。

休憩する時間ができたので座って空を眺めていた。

「あっついな〜」

この学校のリレーは2年と、3年に別れて行われる。 他の競技が20点位に対してリレーは400点になっている。

ぶっちゃけて言えば、リレーで勝てば勝ちなのだ。

優勝も各学年別に選出されて、優勝クラスには、ペットボトルジュースが1人2本ずつもらえるので結構やりがいがある。

まぁあってもなくても、勝負には負けたくないけれど。

「祥平、なに休んでんだよ。一回通しでやってみっから早く来い。」

慎也に呼ばれて僕は立ち上がり練習に戻った。

カランカラン

バトンが落ちる音が響き渡った。

「なにやってんだよ、一応アンカーなんだからしっかりしろよ。」


「ワリィ」

僕は謝ると、元の位置に戻ってやり直した。




愛花が走ってくる。

20メートル10メートルと近ずいてくる。

そしてタイミングを計ってバトンを受け取る

「おっ、成功した。」

慎也がポツリと言葉をもらす。

「やった成功し、うがっ。」

よろこびもつかの間、僕は転んだ。

しかも顔から。

「よーし、いろいろ決まったところで、急いで部活に行こうか。」

慎也がみんなに呼びかける。

「うん、行こ行こ。」
愛花。

「行きましょう。」
ひろみ。

「っ、待ってくれ。」