さすがにこの状況はきつい。

慎也も人間性を優先しようとして、僕に助けを求めようとしたのだろう。

しかし思春期真っ只中の僕達にとっては、素通りできない状況が広がっている。

特に慎也の場合は、好きな女の子のものがさわり放題と言う状況。

慎也も理性がきれそうなのだろうか、手を伸ばそうとしている。

その斜め後ろには愛花の制服もある。

慎也を止めるよりもそっちが気になった。

好きとかそうゆう訳ではないのだが、友達のしかも可愛い女の子のものにはそそられるものがある。

「これって、触った。だけでも犯罪かな。」

と、慎也が訊いてくる。

僕は少し間を空けて答える。

「犯罪にはならないけど、人として・・・」

しばらくの沈黙。

沈黙

沈黙

何もしないまま、三十秒ほどたっただろうか。

何ともいえない感覚が体を覆っている。

正直になれば、触ったり、匂いを嗅いだりしたいと想っている。

しかし、ばれるとかよりも、目の前にいる親友にそんな醜態を晒したくないとゆう気持ちが強くて行動をためらわせている。

小さい頃からバカにしていた、天使と悪魔の葛藤が頭に浮かんでいるようだった。

「触るだけしてみない。」

我慢できなくなったのなったのだろうか、慎也が沈黙を裂いて訊いてくる。

「うん、じゃあ触るだけ・・・するか。」

僕の心では天使が負けたようだった。