何かいいことが聞けると思っているのだろう、目をきらきらさせて僕をみている。

昔から(一年前からだけど)何かあると目で攻撃できる少女。

女の子の武器とも言えるこの目には従うしかない。

「えーと、あの、その・・・」

「早く言いなさい。」

今までだんまり決め込んでたひろみが口を開き、その表情は嬉しそうだ。

「わかったよ。」

二人の悪意に満ちた微笑みが僕を指す中僕は口を開く。

「僕は音楽に興味がないんだ。本当は行きたくなかったんだけど、今時の学生が歌に興味ないなんて恥ずかしくて言い出せなかったんだ。ゴメン。」

あぁ、言ってしまった。

(テンション下がるよな〜。)

自分でも情けないことを言ってしまったことに後悔している。
すると

「なーんだ、そんなことか。もっと他のことかと思った。例えば、私たちと行きたくなかったとか、愚痴でも言ってるのかと思った。ねぇ、ひろみ。」

「勝手な思いこみ。」

まったくぐうの音も出ず黙る僕。

「ほんとだよ〜。私たちは聞いてもらうだけでもうれしいのに。」

なんだか自分が恥ずかしくなった。

「んじゃそろそろ歌い出しますか。祥は、ちゃんと聞いとけよ。後で感想聞くからな。」

「そうそう、黙って聞く。」

「採点はお手柔らかに。」

「え〜〜〜〜〜。」

みんなのテンションに遅れながらもカラオケを自分なりに楽しんだ。

心が明るくなった。

(カラオケもいいかも。)

なんて思いながら今日とゆう日を振り返った。