中学2年生の夏休みが過ぎて、秋にさしかかったころ僕中道 祥(なかみち しょう)は昔からの親友村雨 慎也(むらさめ しんや)と一緒に学校へと向かっていた。

「だりー、アチー死ぬー」

この変な声をだしているのが慎也だ。

慎也は身長が高くて声からわかるように勉強はあんまりできない、しかしスポーツに関してはとてつもない才能を持っていて、僕は一度も勝ったことがない。(しかし僕は勉強ではトップクラスだ。)

性格はきついが長いつきあいの僕はその中にある優しさも知っているのでかなりいいやつだと思う。

「そういえば運動会なにでるか決めた」

僕の問いかけにさっきから唸っていた奇声を止めて

「もちろんリレーにでるに決まってんじゃん。また、去年みたいにブッチ切ってやるよ。」

「へぇー」

僕の素っ気ない返事に反応してもう一言付け加えた。

「何、我関せずって返事してんだ、今年は2人出なきゃならないからお前も出るんだよ。俺ほどではないけど足速いんだから」

僕は驚きと共に声を上げた。

「ハァァァァァァ」