―――1年前…私は中1で、蒼一は高3のとき。
蒼一に誘われてこの家にきた。
親はいなくて二人っきり。
蒼一の部屋にいた。
することがなくて私は部屋を物色してた。
私が本とかを眺めているとき蒼一は私も見つめてた。
気づいてたけど気づいてないふりしてた。
そのうち蒼一は
「髪…きれいだな」
そう言って私の髪をなでた。
ずっと。
心臓がおかしくなるかと思った。
…そのときにはもう、
蒼一のことが好きだったから。
そんな気持ちが消えたのはいつだろう。
今、こんなに胸がさわいでるのに。
なんでもう好きじゃないんだろう。
そんな疑問を抱きながら私たちは部屋にあがった。
「おかしとかいるー?」
「あ、ありがとうございまーす」
佳子はうっきうきな感じだ。
「あ、6時には親帰ってくると思うから、帰ってくる前に家でような」
「わかりましたー…あ、すいません、ありがとうございます」
蒼一の部屋にはテーブルがおいてないので、地べたにすわり地べたにジュースやお菓子が並べられた。
それからふたりは他愛もない話をしていた。
私はそれにたまに入っていた…という感じだ。
どんなふうにしていたらいいか…
わからなかったから。