中2になった私は佳子と一緒にいることが多くなった。
佳子はおもしろくて一緒にいて飽きないし
わかりやすい子だから信用もできる。
今日は学校の帰りに近くのデパートに寄ろうという話になった。
特になにを買うというわけでもないんだけど。
「彼氏ほしいなぁ…」
突然、毎日のように佳子と私が口にしているセリフを佳子が言った。
「誰か紹介してよ莉奈ァー」
そんなこと言われても…
私だって彼氏ほしいよっ
そう思いながら誰かいないかなと考えていると
「あ、元吹部の先輩とかは?」
「めっちゃいい!!どんなひと!?」
思った通り、食いついてきた。
佳子は吹部所属中なのだ。
「うーんとね、蒼一っていうんだけど…5歳上。年上大丈夫?」
蒼一とは良祐と同い年で、良祐の親友。
3人で遊ぶこともよくあった。
中1のとき…好きになりかけたひと。
「全然いけるーっ♪顔は??」
「顔は…私的には、微妙…かな…。眼鏡かけてるよ」
「いいじゃん眼鏡男子っ!写メないの写メ~!!」
佳子はのりのりで言う。
なんか私めんどくさいこと言っちゃったかも…
「…残念、ない」
「じゃぁメアド教えてよー?」
しょうがないな…とわたしは蒼一に友達にメアドを教えてもいいかとメールを送る。
「待ってね、いまメール送ったから」
「ありがとう莉奈ぁ♪」
調子いいんだから…。
しばらくして蒼一から返信が届く。
『なんで?別にいいけど』
「蒼一いいってさ。メアド送るね」
佳子はありがと、と言って携帯を構えた。
これが私たちの‘きっかけ’になるなんて
全然思ってなかった…