逃げたくても頭と体がついてこない。

伊崎に腕を強く掴まれ私の目の前に突っ立っている。

「もう逃がさねぇぞ。
こいつ借りていくからな」

高原…やっぱり私には無理なんだ。

こいつを目の前にすると怖くて何も出来ない。

気付いたら、いつも使っていた空き教室にいた。

「何だ?今日は逃げねぇのか?」

「っせぇな!話って何だよ!」

「本当に可愛くねぇな」

溜め息つくぐらいなら相手にすんなよ!

松橋は顔を歪ました。