それでも拓真は、スピードを緩めることなく、早足に進んでいく。 学校からしばらくの間、みんなの視線が、痛いほど感じられていた。 「陽菜子、どういう事だよ?」 息も切れ切れになった頃、やっと拓真は立ち止まってくれた。 ただでさえ、暑い夏。 体は、汗でぐっしょりだ。