ゾロッ

言い合いをしているうちに、
円陣に囲まれる2人。思わず背中を
合わせ、辺りを見回す。

「万事休すか…」
ユウがソッと言った。

ドゴッ

円陣の一部がとり乱れる。
3人ほどが倒れた。

「波瑠…?」
「お待たせしました」
波瑠が歩きながらこっちに来て、
微笑みながら血のついた手を握る。
薫も微笑んで波瑠を見る。
「来てくれると思ったぜ」
「仲間だって約束してくれましたからね」

親しげに話す2人。ユウは少し驚く。
自分が知らない間に、ここまで心を
開いていたとは…。計算外だ。

不快な顔をするユウ。
波瑠と薫は、それが自分達のせいだと
感じてもいない様子だった。

「さあ、片付けるぞ」
薫が言うと、波瑠が相槌をうち、
攻める。ユウも苛立ちをぶつけた。
3人もいると圧倒的に数の減りが早く、
薫は何故か笑っていた。