ドッ…
「ぅあッ!」
寧々が激しく倒れこんだ。
痛そうにして見上げる寧々。
何が起きたのか波瑠は理解した。
奈央はそれでもしたを向き、
まだ無心のまま硬直している。
「ー…利津!」
波瑠が強張った顔で言う。
「待たせたな。もう平気だ」
ホッとすると同時に、波瑠はユウ達に
視線を向けた。
首慣らしをする利津。
ぐっと寧々を見て睨んだ。
「…利津…!!」
蹴られた痛みでまだ動けない寧々。
利津は問答無用に歩き出した。
ドッ
「うっ!!」
殴る。殴る。殴る。
利津は悔しくて仕方が無かった。
自分の体力の無さに。