『玲はつえーぞ。油断したら
即KOだぜ?』

直が奈央に言った言葉。
希望を見つけた奈央は、直に向けて
頑張ろうと決心出来た。

『ご…めん…な…』
今にも消えそうな直の声。
いつも助けてもらってばかりで、あたしは
貴方に何も出来なかった。
泣いてるうちに、心臓は止まってた。
もう…分かってるはずなのに…
会えないってことを。
それでも心の底から込み上げる
この気持ちは何なんだろう。
ーそうだ。分かっていた…そんな事。
利津と出会ってから、あたしの心はまた
揺らぎ始めた。


ドガッ

寧々が奈央の腹に蹴りを入れる。
奈央は黙って息を吸い、寧々の服を
引っ張る。

ボガッ
ドゴッ
「…やめろ…!!」
横で見ていた波瑠が言う。
奈央が思うがままに殴られている。

それでも怯まず硬直する奈央。
確実に少しずつ体力を消耗していた。