「波瑠…あいつに無理を
させる訳にはいかねぇ…」
「動くなっまだ休んでた方が…」
動こうとする利津を止める薫。
「頭使って戦わないと負けますよ?」
ユウも偉そうに利津に言う。

「あいつは…直が死んだあと、
進んで呉羽に転校して来てくれた。
これ以上、迷惑をかける訳には」
「自分ひとりで戦う気か?」
「…」
「お前がそうやって一人で戦うから、
かえって私達にも迷惑をかけてるんだ。
もう少し自己中になった方が、良いん
じゃないか?」
「…自己中…?」
利津は薫を見つめる。
それを、見つめるユウ。

「うッ」
「!」
波瑠の声が聞こえた。

「…ッ!!」


パンッ
激しい音と共に殴られる波瑠。
唇を噛み締め、寧々を殴る。
だが寧々はそこから動かない。
さほどダメージを受けていない。

ー嘘だろ…っ

ドガッ

また殴られ倒れ込む波瑠。
もう起き上がろうとしない。