とある倉庫。
中央に利津が立っていた。
荒々しく息をしては、吸って吐く。

「疲れてるみたいだな」
ハッと利津が後ろを振り返ると、
そこには寧々が居た。下っ端は後ろに
留まり、寧々を見守っている。

「ー律儀なこった。時間ピッタリだぜ?」
「そんな口を叩く余裕はないだろ?」
「ちょっと大人数を相手にし過ぎて」

利津は大きく息を吸ってまた吐いた。
目を閉じて、心臓に手を当てる。

「うちの直が、世話になったな」
「ふっ。あいつは、自分がボロボロに
なってまで呉羽を守ろうとした。その姿に
同情して、休戦してやったのさ。面白い
奴だと思ってね」
「宮崎はどうなんだ?」
「あいつが私に勝つには、まだまだ時間が
いるだろう。直とは違って、まだ技術が
足りないからな」
寧々は首を回して、音を鳴らす。

「一人でこの人数相手とやるつもりか?
軽く見ただけでも30人はいるぜ」
「お前以外は皆雑魚だろ…っ」
「ふっ。確かに」
「直の双子…力を見せてもらおうか」

後ろの部下たちが一気に利津に
襲い掛かった。