暗く重い空気が流れる。
部下と見える女子生徒達がひとつの
椅子を囲み、立ち尽くしていた。
椅子に座る頭は重そうな目を開く。
ー岸沼高校。
今日、呉羽との対戦をする学校。
「頭、そろそろです」
「…もうそんな時間か」
”頭”と呼ばれる人物は立ち上がった。
するどい眼差し、殺気。
名前は「札島寧々」。
「聞いたか!?」
とある教室でとあるヤンキーが
誰にも聞かれぬようトイレで話していた。
「岸沼校とやるんだろ?あそこに
ダチがいるんだけどよ、そいつが怖そうに
言ってたよ。頭が怖いって」
「あそこの頭、やべぇんだろ?
直先輩にも勝ったことあるらしいし…」
「まじで!?そりゃ化け物だろ!」
「でも何でそんな強い学校が、うちと
休戦してたんだ?」
「さあな…上の考えることは、
あたし達にはわかんねぇよ…」
黙り込む一同。
「…なんであたし達を頼って
くれねぇんだろーな」
「思うんだけどよ…最近の呉羽、
活気悪くねぇか?変な勢力のせいで、
重い雰囲気になってるし…」
「頭は何を考えてるんだ?」