「コイツに逆らう奴がいれば、
私が相手になろう」
薫はそう言うと、ユウを見た。

「お前は私に協力してくれている。
感謝してるよ。私の仲間だ」
「…」
ポカーンとした顔で薫を見るユウ。
頬を引っ張る薫。

「いってェ!!」
「そうだろ?ユウ」
ーユウ…。名前で…
「お前は、面白い奴だな」
ユウは微笑んで言った。
薫は得意げに笑っている。
「そういう事だ。文句が
あるなら、薫に言え」
「は、はい…」
生徒達は頷いた。
まだ少し怖がっている。
意味深にユウが微笑んだ。

パラパラと葉が舞う。
それと同時に血が散った。
道路沿いの道で、喧嘩をしている
少女と何人ものヤンキー。
数のわりに、少女は余裕そうに
勝っている。

「ぅらァッ」
すぐに、ヤンキーは全員倒れた。
用済みかのように少女は見下すと、
歩き始めた。

「まだだ…」
少女は一枚の写真を出した。
それを苦しそうに見ている。
「…直…」
呉羽のある方向へと進んでいく。