5分もしないうちに勝負はついた。
血まみれの手を握り歩き始めるユウ。
後ろから足音が聞こえた。

「最強軍団の方、すか?」
ユウは恐れずに、後ろにいる
謎の少女に話しかける。
「…用は何だ?」
奈央の声だった。
即座に振り向くユウ。

「久しぶりっすね。宮崎」
「…ユウか」
奈央の視線がユウにむいた。

「あんたと戦うのは、今は
まだ遠慮したいんすけどねぇ。
一番面倒なものは、最後に残す
癖があるんでね」
「何を言っている?」
奈央は歩いてユウを横切る。
様子が可笑しい。ユウは奈央を
見ると、奈央は思いつめたような
顔をしていた。

「あたしは、藍の抜けた穴を
埋めただけだ。3番手だけど?」

「3番手?」

ーという事は、波留って奴と
残るてっぺんの方が宮崎よりも
強いって事か…?
でも新入りが強い訳ない。
強いとしても、学年や去年の
事を考えると宮崎だろう。
何故宮崎が頂点じゃ無いんだ…?