「壊してやる…!」
ナジカは歩き始めた。
「はぁ…っ」
「息が上がってるぜ。大丈夫か?」
「貴方には…言われたくありませんね」
「ははは…っ」
利津と奈央は限界だった。
それでも戦い続ける。神経を
集中して、目をつぶった。
「おらぁっ」
ガンッ
「うっ」
確実に一人じつ仕留めていく。
「全員で攻めろぉ!」
一人のヤンキーがそう言うと、
一気にヤンキーが襲い掛かってきた。
「くそっ」
とっさに繭と憂とユウと薫で
助っ人に入った。
「なめんなよ…っ!!」
「お前らがどんなに足掻いたって、
その人数を相手にするなんで無理だ。
大人しくやられちまいな!!」
「やられるのはお前だよ」
「!?」
ナジカが後ろを振り返る。
それと同時に激しく殴られ、地面に
ひれふせながら上を見た。
「…!玲!?」
「久しぶりだな。こんなに早く出て
きやがって…」
玲はポッケに手を突っ込む。
「やることないんだろ?あたしが
相手してやるよ。絶対に逃がさない」
「くそが…ッ」
利津たちの方は、グダグダだった。
全員が傷だらけでおされていた。
それでも奈央と利津は諦めようと
しない。殴られても効いていない
みたいだった。
「ふふふっアハハハ!!」
笑い声が聞こえる。
まだ意識があった奈央が先に反応した。
「この声は…」
ドッ
利津を囲んでいたヤンキーが倒れる。
重い目蓋を開けて利津はその人物を見た。
笑いながら手を利津に差し出す。