「なあ繭、アイツもう呉羽側なのか?」
「馬鹿憂。見れば分かるやろっ」
「先輩たち、喋ってて平気なんですか?」

波瑠を含まない最強軍団も居た。
その数、29人。ほとんどが新入りの
下っ端だった。少ない手勢でも利津と
奈央は嬉しかった。

「思う存分暴れていいぜ」
利津がそう言うと、呉羽の手勢も
ヤンキーに襲い掛かった。

31対90。
ナジカは不満げな瞳で見つめる。
「友情だとか愛情だとか、今時…
くせぇんだよ!あの女、あたしと同じ
だったクセに…っ」
「そうっすよ。ユウはあんたと同じっす。
友情とかくさいし、嫌いっす。でも、薫は…
こいつは、対象外なんすよ」
「テメェ…」
「文句があるなら、その鉄棒からおりたら
どうすか?ヘタレに見えますから」

ナジカはおりた。
そしてユウの胸倉を掴む。
睨み合いをする二人。

「先に言っておく。ユウに何か
したら、許さねぇぜ」
薫がナジカを睨みながら言った。

「クソが…っ」
すると、後ろからヤンキーが
襲い掛かってきた。
ユウはとっさにナジカの手を離し
薫と戦線に立った。
がむしゃらだ。どいつも。
勝てるわけがないだろう…それなのに、
目を見開いて戦っている。

頭がおかしいんじゃないのか…