次の日は晴れた空だった。
3年1組に利津と派留が居た。
繭と憂は出かけている。

プルルル…
直にメールが来た。

”今日、3時に岸沼校の校庭で
待ってる。タイマンだ。ナジカ”

「ナジカからですか?」
「ああ。3時に岸沼の校庭だってよ」
「岸沼?危ないんじゃ…」
「タイマンだって書いてあるし、
大丈夫だろ。私はこいつを信じる」
利津は満足気な表情をしていた。
奈央は何故か胸騒ぎが止まらなかった。

岸辺で誰かがが会話をしていた。

「聞いたか?」
「釈放されたって話でしょ?
知ってるよ。フフフっ♪」

それは、玲と藍だった。
玲はOLの服装をしている。
藍はだぼだぼのスウェットだった。
顔だけは変わらない二人。
ただ玲は髪が短くなっていた。

「そこの高校に奴が来てるそうだ」
玲は岸沼校を指さした。
岸沼校は岸辺の隣だった。

「潰す?」
藍は手に持っていたガラス玉を
握り潰した。玲は冷静な顔で言う。
「お前も少しは大人になれ」
「本当なら今ごろ大人になってた」
「…いつまでも甘えるなよ」
「ハハハハハッ♥」
全く聞いている様子のない藍。

「とりあえず見物はいこう」




病室にいる派留は外を見た。
「…雨模様か」
なんだか嫌な予感がしていた。


3時。
利津が校庭につくと、ナジカが
一人ポツンと立っていた。
音を聞いて後ろを振り返ると
いやしい笑を浮かべた。

「何がおかしい?」
「別に?良かったですねー
あたしとのタイマンが現実に
なって」
「ずっとお前だけを目指してた」
「微笑ましいこと」

「…!」
ナジカの後ろからゾロゾロと人が
出てくるのが見えた。
その数、ザッと数えて60人はいる。