「…本当に強い奴は、どんな状態でも
正義を貫き通す。実力が追い付かなくても
気持ちは前を向かなきゃいけない…。
立ち向かう勇気を持たなきゃいけない。
私と戦うことでお前に知って欲しかった
ことは、こういうことだ…」

ーお前は、私にとっても大切なダチだった。
知らせを聞いたとき本当に残念だったよ。
向こうの世界で待っててくれ…

いずれ皆、そっちに行くからな。
寂しくても、我慢しろよ?



ポロ…

寧々の目から涙があふれた。
そのまま寧々は地面に倒れ込んだ。

奈央はその姿を見て、荒々しく
息を吸いながら立ち上がった。
ふらふらと体が不安定に揺れる。
寧々に近付き、言った。
「直さんは、幸せだったと思います…」

奈央は寧々を見つめていた。
ずっと、時が過ぎる限り……。

利津とナジカの怠慢。
利津に電話がかかってきた。
ナジカが出ていいと言ったので、
とりあえず利津は電話に出た。

「はい」
「派留が…!!派留が大変なんです!!」
「…詳しく聞かせろ」
話が終わると、利津は携帯を
ポッケにしまってナジカに言った。

「他の日にしてくんねぇか」
「どういう意味です?」
「そのつど連絡する」
「あっちょっと!!」
直は走り出していた。
ナジカはついて行った。