「ー…」
考え抜いた結果、寧々は
呉羽を攻めることに決めた。
直の残した人材なら、きっと
生き残れる。

寧々は呉羽を試す気でいた。
ほかの学校と話し合い、ようやく
決まったときだった。
ナジカが釈放されたという
知らせを聞いた。
彼女に面会すると、何一つ変わらない
表情でものを言っていた。
寧々は怒りが込み上げてきた。

『聞きました。呉羽を潰すんですって?』
『お前には関係のないことだ』
『私も、呉羽が気に入らないんですよ。
直を殺した程度で恨みやがるし。彼処の
人間は葛ばっかりですね』
『…』
『手伝わせてくださいよ。もう改心したんで』
ナジカは全く真実を言っている気配は無い。
寧々はナジカに言った。
『お前は直の意味を知らなきゃいけない。
それがお前の罪の償いになるんだ』
寧々はナジカを睨んで言った。

『岸沼に来い。そして、私とともに呉羽を
見届けるんだ。奴等はきっと私たちに勝つさ』
『見届ける…?』
『それが終わったら約束しろ。もうこの地域には
近付かないでくれ』
『…』


それからと言うものの、本当に
ナジカは呉羽を潰したいみたいで、
積極的に動いていた。

寧々はあえてソレを止めなかった。
何だかんだ言っても、こいつは自分の
罪を自覚している。中々態度には
表さないのは、負けず嫌いな性格だから
だろう。

寧々は次第にナジカを”ひと”として
扱うようになった。