ダン、ダン…
階段を上る音が聞こえる。
退屈そうに歩く一人の少女。
教室の扉を開けると、
いきなり叫んだ。
「骨のある奴はかかって来い!」
クラス中がシーンとなる。
ヤンキー校に入ってきたわりに、
威勢が良い人はここには居ないようだ。
少女はちっと舌打ちをすると、
椅子に座り込んだ。
「見たか?今の」
「あぁ、相変わらずおっかねーぜ…
山田薫。中坊の頃から危険人物だったしな」
少女の名前は、山田薫。
少し巻いた風の短い髪の毛に、
真っ黒の髪色が似合う。
「誰も寄ってこねーよ、あんな奴」
「…そおでも無いみたいだけど」
不良達は不思議な顔で薫を見た。
不服そうな顔をした薫の前に、一人の
女性が立っていた。
「何だおめぇ?」
薫が思い切り睨みつけると女性は笑う。
「ユウって者です」
冷静なユウを目の前に、
薫はまだ警戒心を持っている。