え?



かぶった声に驚いて振り向く




「ぎゃっ」




一番会いたくない時に




どうしてこうも、タイミングよく会っちゃうの?




「ぎゃっって」




とか言って笑ってる一ノ瀬 奏。




どうしてそんなに普通にしてられるの?




私だけ悩んで。泣いて。




あぁ、また嫌な気持ちがこみ上げる。





「おばさんっ」



「ん?」




「やっぱいい!!」





一ノ瀬 奏の顔も見ないまま





購買にたむってる人ごみの間をすり抜ける。