ため息をつくあたしを見て、なっつーはニコッとほほ笑む。
あ、読者の皆様、勘違いしないでね。
なっつーのこのほほ笑みは、優しいとかそういうもんじゃなく、何か企んでる天使のほほ笑みのような…。
「まぁ、元気出して!! 恋愛なんて、山あり谷ありよ!! それにライバルなんて多い方が燃えるじゃ~ん」
「なっつーはそうかもしんないけど、あたしは違うんだよぉ」
なっつーだって知ってるでしょ?
あたしの性格を。
「あたしの性格はねぇ…、乙女で傷つきやすい繊細な心をもってるのよ…!! そんでもって、ひかえめな…」
「まぁの性格なら知ってるよ」
ちょっと!!
これからいいとこなのに、遮らないでよ~!!
「幼稚園のころから今まで、女の子らしい遊びなんてしたことないよね~」
いやみったらしく言ってくるなっつー。
あたしは不満をアピールするため、口をとんがらす。
それでもあたしの気持ちは通じないらしく、容赦なく短剣のようななっつーの言葉が飛んでくる。
「昔っから男子とばっか遊んでさ~。あたしが一緒におままごとしよぉとか、お絵かきしよぉとか誘っても『いやだ!!』とか言って、木登りとかドッチボールとかやっちゃってさ」
「も、もう分かったから…」
それでも、なっつーの口は止まらない。
うわぁん…。