案の定、香苗の顔には不安の色が浮かんでいた。



「どうして、要がそんなこと聞くの?」



俺は今まで女に興味を示してこなかった。


名前すらも興味なかった。


…自分の女以外。


だから、急にそんなこと聞いた俺にビックリして、不安になったんだろう。




「…なんでもない。さっきのは忘れてくれ」




「うん、分かった…。変な要」



香苗って単純だよな…。



そうこうしてるうちに、俺の家に到着。



もうすでに、俺ののどが持たない。


ソファに座り、香苗を呼ぶ。



「…香苗、ちょっとこっち来て」



香苗はどうして自分が呼ばれているのか気づいたらしく、



「もうのど乾いたの? …今朝、飲んだばっかなのに」



あぁ、そうだな。


俺も最近、のどの渇きが早くなってるような気がする。