★たった2回だけ
[要]
「うふふっ。この雑誌、ホントにありがとうね。この付録のポーチがとてもほしかったんだぁ」
俺の隣では、さっきからえらくごきげんな俺の彼女がいる。
理由はカンタン。
俺が本屋で雑誌を買ってやったから。
そんなのがほしいのか?
って思うものばっかり女はほしがる。
ま、でもそれぐらいでごきげんになるんなら、俺はいつでも買ってやるけど。
香苗(カナエ)が言うには、こういうのはたまにしてもらうからいいんだそうだ。
…ますますわかんねぇ。
今、俺の彼女の香苗とは1カ月前から付き合ってる。
どっちが告ったかっていうと…
うーん、どっちもだな。
両想いだったし。
幼なじみだし。
俺のことを受け入れられるのはこいつだけだと思ってる。
…人間じゃねぇ、俺のことを受け入れられるのは。