でも、ホントに今は何も食べたくない。



ただ、家に帰りたい。



そして気持ちを整理したい。


ぐちゃぐちゃになったあたしの気持ちを。



「…ごめん…」



あたしはなっつーにもう一度謝って、一緒に本屋さんを出た。



でもこれから、ひとりで家に帰ってこの気持ちを整理するなんてこと、できるのかな?



こんな心の痛みは初めてだから。



…なっつーに、聞いてもらおうかな…。




「ねぇ、なっつー。これから用事なかったら、あたしの家来る? 話したいことがあるんだけど…」



「うん、大丈夫だよ!!」




笑顔でそう答えてくれた。



なっつーは、あたしに何かあったんだろうと、今はあえて何も聞いてこなかった。



…なっつーは優しいね。




帰り道の途中、少し気持ちが落ち着いたあたしは色々なことを考えた。



多分あの二人は付き合ってて、毎日ラブラブなんだろうなぁ…とか。



自分でそう考えるたびに、胸がナイフで刺されるみたいにズキズキした。