「あっ、ご、ごめんなさい!! あたしも、このポーチかわいいなって思ってたら、隣で声がしてビックリして…。心の声が勝手に出ちゃってるのかと思って」
って、何言ってんだあたし!!
…変な子だって、思われたかな?
すると、女の子はクスッと笑って、
「あたしもね、たまにそういうことあるよ。ビックリするよね、自分の思ってることが急に隣で聞こえたりしたら」
「は、はい…」
そして女の子はまた雑誌を見始めた。
背なんかあたしよりも小さいのに、この人すごく大人っぽい…。
優しくてかわいくて。
モテそうだな…。
あたしも雑誌を見るふりして、そんなこと考えてた。
すると女の子が「あっ!!」と言って手を振った。
きっと誰かを待ってたんだろう。
「もぉ、遅いよ要~」
……。
かなめ。