「っと、いけねっ!! もう行かなきゃ。んじゃ~ね」


と言って、あたしとなっつーに手を振る要君と、その友人。



「うん。ばいばい」



あたしたちは手を振り返す。


要君たちは、雨の中バシャバシャとかけだした。


ったく。

さっき、あたしに走るな、とか言ったくせに。

自分、走ってんじゃん!!


「まぁ。あたしらも行かなきゃ。遅れちゃうよ!!」


なっつーがあせりながら、あたしに言う。


「あっ!! ごめん!! 行こっか」



そう言いながら、あたしたちは少し早く歩きながら学校へと向かった。


あ、走ってませんよ? ちゃんと歩いてま~す。一応ね。




学校へ向かってる間も、あたしの胸のドキドキは消えなかった。


この時はまだ、このドキドキの正体を、あたしは知らなかったんだ。