「そうなんだ。ま、でも雨の中は危ないから、走ったりスキップしたらダメだぞ?」



こ、この人、お父さんみたいなこと言ってる…。


でもかっこいいうえに、性格いいんだね。

すっごいモテそう…。

彼女とか、いるのかな?


とっさに考えた。


っていうか、…ん?


なに考えてんだ、あたし!!


そんなこと、今考えることじゃないのっ!!


急に顔が熱くなった。…気がする。

絶対あたし、顔真っ赤だ…。

恥ずかし…。



「う、うん。そうだよね。これから気をつけまぁ~す…」



あたしがそう言うと、男の子はまたフッと笑った。

…いい子だ。そう言ってるみたいに。


すると男の子の後ろから、また別の男の子が現れた。



「っつーか、要(カナメ)、おめぇもさっきまで走ってただろーが。ここの角曲がるときなんて、後ろ向いてただろ」



名前、要って言うんだ…。


要君は、ばれたか~と言いながら頭をクシャッとかいた。


そんなしぐさにも、ドキッとしてしまう。


「ま、俺も人のこと言えねぇけどな。でも、先にぶつかってきたの君だからな」



そう言って、あたしのおでこをデコピンしてきた。


…あなた、Sですか?


要君も、十分悪いと思うんですけど…。