「………え?」

何なの、コイツ?

強盗?

こんな明るい時間に?

こんなしょぼいアパートに?

俺、コイツに殺されるわけ?


一気に頭を駆け巡った自分の考えに怯えて、口を開けたままそこから動けないでいると、また男は不可解な行動に出た。


「助けてもらえませんか!」


その場に膝をつき、頭を下げる。
俺の口は間抜けにもぽかんと開きっぱなしだ。


「……は?」

「旅は道連れ、世は情け。ね?」



そう言ってニッと笑った奴の顔を、俺はきっと一生忘れられない。