相手は杉原だ。


『結城か。今から駆け付けるからな。すでにその辺りで土砂崩れが発生しているらしい。だから空から駆け付けることしかできんかもしれん。時間がかかると思うが耐えてろよ』


と電話に出るなり、言いたいことを早口で言い放ってきた。


「……あの、さっきもう一人被害者が出ました。」


『またか?!もう少し早く駆け付けることが出来れば防げたのにな、』


杉原は低い声で呟いた。