耳を澄ませてみたが物音はしない。 停電中のためドアの隙間からの光も感じない。 結城は少し躊躇いつつ、ドアノブに手をかける。 これは完全に不法侵入と一緒だ。 だがこの別荘ですでに殺人事件が起きている。 この別荘に何か手がかりがあるはずだと思った。 今まで気にしないでいたこの部屋の前に手がかりらしきモノがある。 これは確認しないと……。 言い訳臭いが自分に言い聞かせてドアノブを回した。