結城は部屋に入り、鞄から小説を取り出した。 本を手に取り、部屋を出た。 すると若干だが、廊下に足跡が付いていた。 それは濡れ足で地面を歩いた時に付く特有の足跡だ。 それが花咲かおるから使うなと連絡があった部屋の前あたりまで続いていた。 「何であの部屋に?」 結城は気になった。 あの部屋は誰も使っていないはずじゃ……? 不思議に思った結城はその部屋に近付いてみた。