帰ろうか、あたしの家に。


早く、言いたいな。


『ただいま』って。


そしたら、言ってくれるのかな。


『おかえり』って。


笑顔で、迎えてくれるかな。


また、抱きしめてくれるかな。


急ぐ足は"自分の家"に向かってるんじゃなくて"好きな人の元"に向かっているようだった。


家の前に着いたとき、少しだけ息が上がっていた。


なかなか家の敷地に入ろうとしない、あたしにタマとミーは不思議そうに鼻を鳴らした。


足がすくむ。


「ご、ごめんね‥‥。なんか、怖気付いちゃったみたい。」