タマとミーがそれに気づいて、あたしのもとへ駆け寄って来てくれた。


甘えたような声を出しながら、あたしに鼻先を摺り寄せてくる。


それがくすぐったくて、あたしは笑いながらそれを受け止めた。


時間も忘れて、あたしたちは遊び回った。


気づけば、あたりは赤く染まっていた。


公園のど真ん中にある、時計は午後4時30分を示していた。


「そろそろ、帰ろうか。連も‥‥‥待ってるから。」


そう、あたしには帰る場所が有り、待ってくれている人ができた。


もう、あたしはひとりじゃない。


リードを握って、来た道を帰っていく。


行く時は、忙しなくあたしの前を歩いていた2匹はあたしの横を歩いていた。


まるで『一緒に帰ろう』そう言ってるみたいに。


嬉しくて、少しだけ速度を上げて歩く。