まだ外の世界になれていない体。
あたしが外の世界を拒んでいるのか。
それとも、世界の方があたしを拒んでいるのか。
その時、フッと浮かんだ蓮の笑顔。
小さく口角を上げた。
例え、どんなに世界があたしを拒もうと彼は絶対にあたしを拒まない。
そんな確信が、広すぎる世界に押しつぶされそうなあたしを助けた。
あたしは、蓮に助けられてばかりだ。
ゆっくりと、足に力を入れながら立ち上がるとき少しだけ寂しく感じた。
「さ、行こうか」
忙しくまた動き始めた、2本のリード。
あたしは必死にそれに追いつこうと、足を前に出した。